学会長挨拶

 

第32回 九州理学療法士・作業療法士合同学会
「くらし・ひと・こころにふれる」
〜生活に寄り添う専門家として〜


第32回 九州理学療法士・作業療法士合同学会
学会長 比嘉 靖
 

 21世紀に入り10年が経過した。少子高齢化の波はさらに高まり、医療、保健、福祉において、支え、助け合う仕組みも大きな変化を余儀なくされています。
 介護保険制度・支援費制度の導入や見直し、繰り返す診療報酬の見直しなど、医療と介護の
住み分けが推し進められている中で、わが国のリハビリテーションは今まさに分岐点にあると言え
ます。その中で、医療と福祉に広く身を置く我々理学療法士・作業療法士にかかる期待と社会的
責任は重いと言えます。現実に地域の人々にとって必要な医療・介護と、提供可能な資源としての
医療・介護の実態は、大きな格差として存在し社会問題とされています。
 南島の地、沖縄においても例外ではなく、島嶼環境という特性から、へき地医療等の問題がさら
に深刻さを浮き彫りにしています。
 今、理学療法士・作業療法士の急激な増加による質の確保が問題になっていますが、私たちが
必要とされる存在としてあるためには、知識や技術だけでなく「ひとりの生活者として、対象者の暮らしにふれ、肌で感じ、地域の中で生活する障害者とそれを取り巻く多くの人々と語らい、心を通わせ幅広い価値観を共有できる専門家」としての姿勢が求められています。
 そこで、今学会では「くらし・ひと・こころにふれる」をメインテーマに、「生活に寄り添う専門家」のあり方について、さまざまな「ふれる」をキーワードに、参加者一体となった議論ができればと考えています。
 「ふれる」ということばには、単に身体知覚などの現象にとどまらず、くらしを意識し、その想いや歴史にふれることの意味も込めており、今回のシンボルマークであるシーサーについては、かかる厄害を払う守り神として、古くから民家の屋根上に鎮座し「生活に寄り添う」存在であるという、目指すイメージを重ね採用しました。
 学会を通して、私たち理学療法士・作業療法士の働くさまざまな現場に「ふれ」、これまでの歴史に「ふれ」、生活に寄り添う専門家として理学療法士・作業療法士のあらたな役割を広げていくことを願ってやみません。  
 南島の地に開かれるこの学会が、私たちの明日を照らすものになることを祈念します。